私の所有する3本のSIGMAレンズの中で、マウントアダプター「 Fringer FR-FTX1」 で動作確認済みとされているレンズが「50mm F1.4 EX DG HSM」ですが、ニコンの純正であるマウントアダプター「FT1」で動作するのもこのレンズのみです。今回はこの組み合わせは中望遠マクロとしても使えそうです。
SIGMAレンズ
現在、所有しているSIGMAレンズは、マウントアダプター「 Fringer FR-FTX1」の記事でも紹介している「12-24mm F4.5-5.6 EX DG HSM」「30mmF1.4 EX DC HSM」「50mm F1.4 EX DG HSM」の三本ですが、「 Fringer FR-FTX1」では「50mm F1.4 EX DG HSM」以外は、コントラスAFとなりピントの精度やスピードにやや難がありますが一応使えます。しかし冒頭でも書きましたが、NIKON1用のマウントアダプター「FT1」で手持ちのシグマレンズでAFが働くのは「50mm F1.4 EX DG HSM」のみです。
せっかく使えることが分かったので使いどころを探ってみたいと思います。
中望遠レンズ
今回の組み合わせでは、35mm換算135mm相当となりますので、レンズの分類としては中望遠レンズと呼ばれる焦点距離になります。
もともとNIKON1は野鳥専用機の意味合いが強く、以前所有していた NIKON1の専用レンズは処分してしまったので1本も持っておらず、FT1経由で300mmレンズを使用することがほとんどです。また135mmの単焦点も所有していないので、この焦点距離には馴染みがなく、どのような被写体に向くのかわかりません。
一般的に中望遠レンズを人物の撮影に使われる方が多いようですが、その際に重視されるのはボケの大きさと圧縮効果ではないかと思われますが、NIKON1と50mmの組み合わせでは、35mm換算の焦点距離こそ同じですが見かけの焦点距離が長くなるだけですので、その点はあまり期待できまないので、中望遠レンズとして使うには中途半端な感じがします。
また冒頭に載せている蓮に止まったトンボのは、池の中にある花にとまっているので近寄ることができません。そのため焦点距離が足りず大きくトリミングしていますので遠くの昆虫を撮るには向いないようです。
中望遠マクロ
「SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM」の最短撮影距離は45㎝。NIKON1と組み合わせると135mmの焦点距離で45㎝まで寄ることができます。同くSIGMAの中望遠マクロレンズ「SIGMA MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM」の最短撮影距離が31.2㎝。13.8mm寄れないものの焦点距離は30mm長いので、その分だけ大きく写すことが可能です。
画像は、セミが羽化している所ですが、「SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM」の最短撮影距離で撮影したものです。横位置ではフレームに収まらないので縦位置で撮影しています。この組み合わせでは、これぐらいの大きさで撮影する事が出来るのなら、中望遠のマクロとしても使えそうです。
FT1とSIGMA 50mm F1.4 EX DG HSMの使用感
使いどころを探りながら「SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM」とNIKON1を使用している中で感じた使用感はですが、AFの速度や精度は何の問題もなく使えることは当然ですが、「FT1」使用時の”仕様”であるフォーカスポイントが中央に固定されている事が、これが最大のネックです。
これは動態の撮影時に「AF-C」を使う場合に構図といった観点では、使いずらさを感じますが、野鳥のように基本的に遠い被写体を狙う場合ですと、後にトリミングで構図を調整する事で対応することになりますが、「AF-S 」で撮影する分には中央でピントを合わせてからシャッター半押しのまま、フレームを移動するといった一連の方法で撮影することができます。
しかし、上記のの画像は早朝でシャッタースピードが上がらないため三脚を使用していますが、AFの場合、構図を決めてからではAFポイントが中央固定なので、羽の部分にピントが合いうことになります。そのため「目にピントを合わせてからシャッター半押しのまま構図を決める」もしくは「構図を決めてからMFでピントを合わせる」のどちらかとなります。
NIKON1 J5には、MFモード時は「OKボタン」を押すと拡大画像が表示されるので容易ピントを合わす事が出来ます。
レンズに関してですが、「SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM」はニコン純正よりもシャープと言われているものの開放付近では甘いです。ふんわりした雰囲気を出したい場合はこれでも良いと思いますが、昆虫などの場合では、目にピントを合わすと他の部分はボヤけてしまうので、ある程度絞り込んで撮影することになります。画像の様にF1.8では目以外はボケていますが、先に紹介した画像の様にF5.6まで絞り込むとキリッとした描写になります。
液晶モニター
NIKON1 J5は液晶モニターのみでファインダーはありません。また、コンパクトなボディにマウントアダプター「FT1」と「SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM」を取り付けるとフロントヘビーとなり重量バランスは悪いです。そのため通常の撮影では「液晶モニターフード」を取付けファインダー代わりにしていますが、欠点としては、J5の液晶モニターは可動式なのに取り外さないと液晶モニターを動かせないことです。ネジ一本で止めているだけですので風景などでは問題になりませんが、昆虫などの撮影では、もたもたしていると逃げてしまう可能性のあるので焦ってしまいます。
オナガサナエだと思いますが、土の上で産卵のような仕草を何度も行っており近づいても逃げないのでローアングルで狙うべくモニターフードを外して撮影してみました。しかし、ファインダーを覗きながらの撮影に比べ手振れが起きやすいです。高感度耐性の低いJ5ではなるべく低ISOで撮影したいところなので光量がある時限定にした方がよそさうですね。
最後に
NIKON1と「SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM」の使いどころを考えてみましたが、結論として望遠マクロとして使うのが良さそうな感じがしています。また、セミの画像を見ていて開放付近のふんわりとしたボケを利用したらポートレートでも良い雰囲気が出るのでは?なんて感じています。これから、さらに使い込んで検証していきたいと思います。
コメント