これから野鳥撮影を考えている方に、機材の種類(方法)を紹介!

野鳥

野鳥に興味を持ち撮影してみたいと考えているけど、どんな機材を使ったらよいかわからない初心者やステップアップを考えている方に向けて、様々な機材を使ってきた経験から種類(方法)や特徴を解説していきますので、機材選びの参考にしてください。

野鳥の撮影方法

野鳥を撮影する方法として以下の機材を用いる方法があります。

  • 高倍率ズームコンデジ
  • 望遠ズームレンズと一眼レフ(ミラーレス一眼)
  • デジスコ(デジタルスコープ)
  • フィールドスコープとスマホによるデジスコ
  • 天体望遠鏡を使ったデジスコ
  • 天体望遠鏡と一眼レフ(ミラーレス一眼)
  • 望遠レンズ(+テレコンバーター)と一眼レフ(ミラーレス一眼)
  • 超望遠レンズ(+テレコンバーター)と一眼レフ(ミラーレス一眼)

高倍率ズームコンデジ

FUJIFILM Finepix  F550EXR ギンムクドリ

とりあえず一番最初に考えるのが、高倍率ズームのコンデジですが入門用としては最適ですが、画質を求めるなら物足りないかもしれません。2021年現在で発売されているのものは、1/2.3型と1インチセンサーを使ったカメラのどちらから選ぶことになります。

1/2.3インチのものは購入しやすい価格設定ですが、1インチセンサー搭載の高倍率ズームは、レンズ付きカメラとしてはコンパクトで描写も1/2.3インチの物よりはるかに優れている分価格も高いです。また1/2.3インチセンサーのものより焦点距離が短くなりますので、初心者には焦点距離で不満が出るかもしれません。

高倍率ズーム搭載のコンパクトデジタルカメラを詳しく紹介していますので、こちらの記事をご覧ください。

1/2.3インチセンサー搭載の高倍率ズームデジカメと単焦点望遠レンズ+ミラーレスカメラとの画質の違いはこちらをご覧ください。

望遠ズームレンズと一眼レフ(ミラーレス一眼)

望遠ズームレンズと言っても、カメラの購入時にセットになっているキットレンズもあれば、描写にこだわった望遠ズームレンズまで様々ですが、キットのものはテレコンバーターに対応していないことが多く焦点距離をそれ以上伸ばす事が出来ませんので、焦点距離や描写に不満があり、尚且つ利便性を求めるなら「100-400mm」や「200-500mm」などのをの焦点距離を持つ、純正もしくはサードパーティ製のレンズを用いることになりますが、単焦点レンズに比べ重くなりがちです。

Tamron SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD+Canon Eos 7D マヒワ

キヤノンの「EF100-400mm F4.5-5.6L IS」は、望遠側が甘いと言われていましたが、新型である「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」は、ズームレンズでありながら単焦点レンズに引けを取らないと言われています。安いからと言って中古で旧型にすると、のちのち公開することになるかもしれません。ご注意ください。

Canon 望遠ズームレンズ EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM フルサイズ対応 EF100-400LIS2

キャノンのレンズと同じ焦点距離のソニーαをお使いの方は、このレンズですね。

ソニー SONY ズームレンズ FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS Eマウント35mmフルサイズ対応 SEL100400GM

ニコンで野鳥撮影されている方に人気のレンズです。焦点距離が長く全域絞値が変わらないのが特徴です。

Nikon 望遠ズームレンズ AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR

ニコンのレンズよりも更にズームの範囲が広く、焦点距離が長いのが特徴です。また、サードパーティレンズの性能も以前に比べ格段に向上していますし、何と言っても純正レンズよりも安く、万が一違うメーカーのカメラを使うことになっても、有償となりますが「レンズマウント交換サービス」も行ってくれます。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary C015 | Canon EFマウント | Full-Size/Large-Format 745547

オリンパスのレンズですが、オリンパスのカメラだけでなくパナソニックなどのマイクロフォーサーズ規格のカメラで使う事が出来ます。また、焦点距離が35㎜換算200-800mmとなります。

OLYMPUS マイクロフォーサーズレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS BLK

デジスコ(デジタルスコープ)

KOWA TSN-664ED+自作接眼+Panasonic +Panasonic DMC-FZ50 コアジサシ

デジスコ(デジタルスコープ)はフィールドスコープと呼ばれる観察用のスコープにコンデジを組み合わせるのが主流でしたが、コンパクトデジカメ市場が衰退したことから、今ではフォーサーズ規格のカメラと単焦点レンズを組み合わせたものを使うのが主流のようです。ただしデジスコは、以前からそうでしたがアダプターが発売されているカメラ以外は、自分でアダプターを自作するなどの工夫が必要となりますので使えるカメラが限定されます。

一時期は、コーワやニコンなどの主なスコープメーカーが新製品を出すなどブームになっていましたが、現在では当時ほどの勢いはありませんが、今でも根強く支持されている撮影方法です。接眼レンズの倍率を変えることで焦点距離を変えることができますし、一眼用のレンズでは難しい焦点距離を稼ぐ事が出来ることができます。

必要な機材

  • フィールドスコープ(直視型)
  • 接眼レンズ
  • デジタルカメラ
  • カメラ接続用のアダプター
  • 照準器
  • 三脚
  • ビデオ雲台(ジンバル雲台)
  • レリーズケーブル

Kowa スポッティングスコープ TSN-884 PROMINAR フローライトレンズ TSN-884

Nikon フィールドスコープ MONARCH フィールドスコープ 82ED-S モナーク

Kowa スポッティングスコープ TSN-774 PROMINAR XDレンズ TSN-774

これらは定評のあるスコープで、使われている方も多いですが、レンズ口径が大きいほど解像度は上がるものの大きく重くなりますので、小型のものを希望される方には以下のものがお勧めです。

Kowa スポッティングスコープ 直視型 TSN-664M PROMINAR XDレンズ TSN-664M

Nikon フィールドスコープ MONARCH フィールドスコープ 60ED-S モナーク

野鳥撮影はいかにチャンスをモノにするかが大切ですが、焦点距離がのびればのびるほど野鳥をファインダーに収めるのが難しくなります。そこでシャッターチャンスを逃さないためにも、照準器の導入が不可欠となります。

デジスコドットコム 小型照準器システムDOS-HS07

Kowaでは自社のスコープにカメラを接続するアダプターやカメラを固定するための汎用アダプターも発売されています。

KOWA 興和 ユニバーサルカメラアダプター TSN-DA4[TSNDA4]

デジスコドットコムは、デジスコのよう品に特化した商品を販売しておりスコープとデジカメを接続するアダプターなどを販売しています。

デジスコドットコム KOWA用デジスコ接続アダプター TurboAdapterP2 340501

もともとデジスコは、コンデジを使用していたためファインダーが無いのが普通でしたので、液晶モニターにフードを被せることでファインダーのように使用するために、デジスコドットコムから液晶モニターフードが発売され出しましたが、ミラーレスでもファインダーの無い場合は液晶モニターフードを被せることでモニターが見やすくなるのでお勧めです。老眼の方は必須なようです。

デジスコドットコム ワイドSCレンズ採用3倍ルーペ付液晶フード HD-2027W

焦点距離が伸びブレやすくなるため、シャッターを押すのはレリーズケーブルを使うことになりますが、電子式のレリーズケーブルを使用できない機種では昔ながらのワイヤー式のレリーズケーブルを使います。

デジスコドットコム デジスコケーブル 455US

素早く野鳥を導入するのに滑らかに追従する必要があるため、ビデオ用の雲台やシンバル雲台を使う必要があります。

Manfrotto 雲台 小型フルードビデオ雲台 40mm フラットベース MVH400AH

BENRO BENROジンバル雲台GH-2 [並行輸入品] 黒

フィールドスコープとスマホによるデジスコ

私は使ったことは無いのですが、知人が使用しているのを見せてもらったことがありますが綺麗に撮れていました。この方法で撮影するにはスコープにスマホを取り付けなければなりませんが、コーワ(Kowa)では、フィールドスコープのオプションとして、スマホでデジスコが出来るアダプターが発売されているので、お手軽にデジスコを始める事が出来ます。

ただ残念ながら、GALAXY用は生産中止ですし、iphonは7・8・SEまでしかアダプターが発売されていませんので使えるスマホが限られます。

Kowa iPhone7用フォトアダプター TSN-IP7

天体望遠鏡によるデジスコ

フィールドスコープの代わりに天体望遠鏡を使うデジスコです。天体望遠鏡を発売しているメーカーは数社ありますが、パーツが豊富で野鳥撮影にも力を入れているトミーテックから発売されている、BORGシリーズを使うのが始めやすいと思います。

BORG100ED F6.4PH+LV25+SONY DSC-W1 オオルリ

レンズ口径が同じならフィールドスコープよりも解像度はこちらの方が優れますが、トミーテックでは一眼レフやミラーレス一眼での直焦点に力を入れていますので、デジスコで使う場合は豊富なオプションパーツから組み合わせを自分で考える必要がありますので、ある程度のスキルが必要になります。

機械いじりが好きな方はハマると思います。

天体望遠鏡と一眼レフ(ミラーレス一眼)

BORG100ED6.4PH+PENTAX K-5 ホオアカ

単体望遠鏡と天体望遠鏡と一眼レフ(ミラーレス一眼)を繋いで撮影する「直焦点」と呼ばれる撮影方法です。トミーテックから発売されている、使いたいカメラマウント用のマウントアダプターを使用し望遠鏡と接続します。フォーカスは、マニュアルとなりますが決まれば素晴らしい解像力です。

私が使用していたのは、BORGの古い製品で口径が100mmの「BORG100ED6.4PH」でも素晴らしい解像感でしたが、現在発売されているものは野鳥撮影に向けて開発れていますので画質もさらにアップしていることでしょう。

マニュアルフォーカスに自信が無い方は、ペンタックスやニコンから発売されていた「AFアダプター」を使うと、大まかなピント合わせをマニュアルで行い最後のピント合わせをアダプターが行う製品があります。マニュアルフォーカスからオートフォーカスに移行する時代の製品で、ペンタックスとニコンから販売されていました。このアダプター自体には、レンズが入っており、そのレンズを前後させることでピント合わせを行います。そのため焦点距離がニコンで1.6倍、ペンタックスで1.7倍となります。ただしニコンの場合はデジタルカメラで使う場合は、改造が必要なようです。

BORG100ED+1.7xAFアダプター+istDS2 ノハラツグミ

Nikon ニコン AF TELECONVERTER TC-16A 1.6X

PENTAX F AFアダプター1.7X 30924

望遠レンズ(+テレコンバーター)と一眼レフ(ミラーレス一眼)

AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR +NIKON1 V2

この章では野鳥撮影でよく使われる単焦点の望遠レンズについて解説します。もっともよく使われる単焦点レンズは、ニコンやキャノンの300mmF4や400mmF5.6にテレコンバーターを付けて使用している方が多く、稀にオリンパスのレンズを使用している方を見かけます。

Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR フルサイズ対応 AFSVRPF300 4

Canon 単焦点望遠レンズ EF300mm F4L IS USM フルサイズ対応

マイクロフォーサーズ規格のセンサーを使用しているオリンパスとパナソニックのカメラは、焦点距離が野鳥撮影においてはメリットとなる35mm換算2倍になり、300mmF4レンズは「600mmF4相当」となり、コンパクトなのに大口径の単焦点レンズ「ロクヨン」と呼ばれるレンズと同等の画角を得ることができます。

OLYMPUS 単焦点レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO 超望遠 マイクロフォーサーズ用

EF400mmF5.6LUSM+Eos 7D ケリ

その他として、発売時期が古く手振れ補正は搭載されていませんが、描写が良く野鳥撮影では人気のあるレンズでしたが、残念ながら販売終了してしまい中古でしか入手できなくなったキヤノンのEF400mmF5.6LUSMがあります。

Canon 単焦点超望遠レンズ EF400mm F5.6L USM フルサイズ対応

大口径望遠レンズ(+テレコンバーター)と一眼レフ(ミラーレス一眼)

描写・操作性・AF速度といった面で野鳥撮影での最終到達地点です。一般的に使われる大口径望遠レンズには、「ハチゴロー(800mmF5.6)」「ロクヨン(600mmF4)」「ゴーヨン(500mmF4)」「ヨンニッパ(400mmF2.8)」がありますが、ほとんどが「ロクヨン」と「ゴーヨン」です。「ハチゴロー」を使う方は「ロクヨン」「ゴーヨン」のどちらか、あるいは両方お持ちの方が使い分けるといった感じです。「ヨンニッパ」は野鳥撮影においては、広角レンズなので使っている方は少ないですが、レンズが明るい事と抜けの良い描写が特徴です。

2021年現在、αシリーズが人気で使用者が増えているソニーですが、「ハチゴロー」「ゴーヨン」はラインナップされていませんので「ロクヨン」もしくは「ヨンニッパ」のどちらかを選ぶか、カメラメーカーを変えるかです。最近では、電子接点付きのマウントアダプターが発売されており、メーカーの違うカメラを使ってもAFが使えるので、それを使う方法もあります。

K&F Concept KF-EFE-AF2 電子マウントアダプター カメラ側:ソニーE レンズ側:キヤノンEF KF-EFE-AF2

また、これらのレンズを使うには、基本的に三脚が必須となります。600mmF4でには、Gitzzoの5型が必須と言われていましたが最新のレンズは旧型モデルよりも軽量化されており、Gizzo4型もしくは。3型でも行けると言われていますので、軽さを求めるのなら現行型のレンズという事になりまます。

Canon 単焦点超望遠レンズ EF800mm F5.6L IS USM フルサイズ対応

Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR

Canon 単焦点超望遠レンズ EF500mm F4L IS II USM フルサイズ対応

ソニー FE 400mm F2.8 GM OSS [SEL400F28GM]

Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 400mm f/2.8E FL ED VR フルサイズ対応

現在、販売されている各社テレコンバーターの倍率は、ほとんどが1.4xと2.0xの2種類です。1.4xのテレコンバーターは、画質の劣化はほぼないと言えるレベルですが2.0xは若干劣化しますので、1.4xの方をお勧めします。

Canon エクステンダー EF1.4X III フルサイズ対応

Nikon テレコンバーター AF-S TELECONVERTER TC-14E III TC14E3

ソニー コンバーターレンズ 1.4X テレコンバーター Eマウント35mmフルサイズ対応 SEL14TC

MFレンズ

NIKON AI Nikkor ED 600mm F5.6S(IF)

大口径の単焦点レンズを使ってみたいものの、高額すぎて購入をためらっている方や、どんな描写をするのか試してみたい方は、MF時代のレンズを検討しても良いかもしれません。フォーカスはMFとなりますし、フィルム時代のレンズですのでデジタル対応のレンズと比べると柔らかい描写です。特に「 Ai-S NIKKOR 500mm F4P(IF)」が人気です。

マウントアダプターを使えばメーカーを問わず、様々なカメラとレンズを組み合わせる事が出来ますが。一眼レフでは、フランジバックの長さを考慮する必要がありますが、ミラーレスではそれほど気にする必要がなく幅広いカメラで使うことができます。ミラーレスにはピーキング機能があるので、MFでも楽にピントを合わせることができます。

最後に

野鳥撮影の方法について、それぞれどんな方法なのか使用機材の紹介をしましたがやってみたい方法はあったでしょうか?カメラレンズは接続するのに悩む必要もありませんが、デジスコについては適合を考える必要がありますので、望遠鏡を取り扱うお店に相談して購入する方が間違いないと思います。またBORGについても最初のうちはお店で相談した方が良いと思います。ある程度スキルが付けば自分で部品の組み合わせ方がわかってくると思います。逆に接続方法をを変えたり接眼レンズやバローレンズの入れる位置などを変えることで描写が変わりますので機械いじりが好きな方はハマると思います。ただ最終的に描写性・操作性などを総合的に考えると、一眼もしくはミラーレス用のレンズで撮影する方がシャッターチャンスにも強く野鳥撮影に集中することができます。

しかし、撮影方法には人それぞれの好みやこだわりもありますので、それらも考慮しながら、是非ご自分に合った方法を見つけ、野鳥ライフをお楽しみください。

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