NIKON1 [ニコンワン]を使った野鳥撮影を解説（作例あり）

販売が終了してしまいましたが中古市場において人気がある「NIKON1」ですが、野鳥撮影用に考えている方が多いようです。しかし、センサーサイズが1インチと小さく、その描写が気になる所ですよね。そこで以前使用していた経験から、野鳥の画像と共に「ニコンワン」を紹介していきます。

NIKON 1（ニコン1）

まず最初に「NIKON1 」について簡単に説明しておきます。

焦点距離が長くなるとレンズが大きくなり、持ち運びにくくなるのが一般的ですが、ネオ一眼と呼ばれるコンパクトカメラは、小さいセンサーを採用することで35ｍｍ換算での焦点距離を伸ばしています。これと同じ仕組みを採用し、レンズ交換式にしたのが「NIKON 1」シリーズです。

NIKON 1は、2011年10月に「NIKON 1　J1」とEVFを搭載した「NIKON1　V1」が発売されました。途中で、防水機能と耐衝撃性を持たせた「Nikon 1 AW1」、モードダイヤルを廃し簡単操作が売りの「NIKON1　S1」を加え、最終的に「NIKON1　J1～J5」「NIKON1　V1～V3」「NIKON1　S1～S2」「Nikon 1 AW1」が発売されました。しかし、2015年4月に発売された「NIKON1　J5」の販売終了後、新しいモデルが発表されておらず、シリーズが終了したようです。

マウントアダプター　FT1

「NIKON1」が発売された当初は、1Nikkorレンズのラインナップに野鳥撮影に向くレンズが無かったため「マウントアダプターFT1」を使う事で、ニコンAF-Sレンズを使うことが一般的でしたが、のちに「1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6」が発売され、こちらを使う方も多くなっています。また「マウントアダプターFT1」を経由でのAF-Sレンズ使用では、フォーカスモードが「AF-S」のみでしたが、 ファームウェアの更新により[AF-C] （コンティニュアスAF）が選択できるようになっています。

マウントアダプター FT1　仕様

FT1用ファームウェア

1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6

AF-Sレンズをお持ちでなく、これからレンズとボディの購入を考えているのなら、NIKON1用のレンズ「1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6」がオスメですが、こちらも販売終了となっており中古市場でも高値で取引されていますので、一式揃えるとなると結構な金額となりますが、FT1経由でAF-Sレンズを使う場合、フォーカスポイントが中央固定などの機能制限がありますが、このレンズを使う場合は、そういった機能制限はなく性能をフルに発揮することができます。

1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6 のMTF 空間周波数について

野鳥撮影において、NIKON1用のレンズとして、AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR を使っていますが、もう少し軽かったらいいなと思い、軽くて良く写ると評判の「AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR」について調べていたところ、1 NIKKOR VR 70-300mmのMTF曲線について気になるところがあったので合わせて調べてみることにしました。

hetadori-life.com

2021.03.22

野鳥撮影用のNIKON1（ニコンワン）

NIKON1は、フルサイズに対して換算約2.7倍の焦点距離で撮影することが可能となります。そのため300ｍｍのレンズでは、810ｍｍ（35ｍｍ換算）となり野鳥撮影に使いやすい焦点距離でありながら、コンパクトなシステムを構築することが可能です。焦点距離が伸びることからモニターを見ながらの撮影は困難となるため、一般的に「NIKON1 Vシリーズ」が使われます。

NIKON 1の使い方として、フィールドスコープと呼ばれる望遠鏡をデジカメに覗かせて撮影する方法（コリメート法）ですが、こちらに使用する場合は「Vシリーズ」でも「Ｊシリーズも」でも好みの方を使えばよいとおもいますが、最終型である「NIKON1 J5」がおススメです。このモデルは、Nikon 1シリーズでは初めての裏面照射型CMOSが搭載されており、画像処理エンジンが「EXPEED 4A」から「EXPEED 5A」へと進化していますので、暗所での画質も大幅に向上しています。

NIKON1 J5

NIKON1　作例

私は、NIKON1　V1とV2を使ったことがあり、V3は使用したことがありませんが、ノイズも少なく解像感も良好なようですね。旧モデルのV1、V2で撮影した画像を見直して感じるのは、コンパクトなシステムでありながら、今でも十分通用する画質である事。V1では、画素数の少なさとノイズが多いというデメリットがありますが、ISOを上げないよう工夫すれば、十分綺麗に撮影することができます。

作例は、RAWで撮影しNIKON1　V1　作例

V1を使っていたころは、1200万画素機のD700を補完する意味合いで使ってたので、AI AF-S Nikkor ED 400mm F2.8D II（lF）と組み合わせて使うことが多かったです。

NIKON1　V2　作例

V2を使っていた頃は、メインカメラがD810に変わりトリミング耐性の向上から「ヨンニッパ」と組み合わではなく、身軽に動きたい時に「AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR」との組み合わせで使っていました。

最後に

NIKON 1シリーズを野鳥用と考えた場合は、モニターを見ながらでは導入が難しいこともあり、「NIKON １ Vシリーズ」が適していると思いますが、中でもノイズも少なく解像感も向上している V3をお勧めしたいところですが、V3は、「電子ビューファインダー」が後付けになっているので、購入するならファインダーやグリップがセットになった「プレミアムキット」か、本体とは別に「電子ビューファインダー」のみを購入するかのどちらかとなりますが、中古市場において高値が付いているので、V1，V2を検討しても良いかもしれません。

Nikon 単焦点レンズ AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR フルサイズ対応 AFSVRPF300 4

リンク

旧製品の NIKON1 J5 は野鳥撮影に使えるのか実写してみた。

旧製品となってから、数年経過している NIKON1 J5ですが、野鳥撮影機材として「今でも通用するのか？」それとも「使い物にならないのか？」という期待と不安の中、実写したところ良好な結果だったので、作例を上げておきます。NIKON1 に、興味を持たれている方の参考になれば幸いです。

hetadori-life.com

2021.03.20